企業や役所、団体は、いろいろな情報をウェブに公開しています。なかでも公開情報、公開資料、報道発表資料などはPDF形式で掲載することが多いのですが、そろそろ見直しが必要です。
理由は2つ、①スマホ利用者からPDFは歓迎されていません。②PDFはページごとのアクセス解析や閲覧動向を把握できないからです。
PDFの問題点① スマホ利用者はPDFを歓迎していません
PDFについて企業/役所に寄せられる質問や苦情の代表は、「スマホでPDFがきちんと見られない」、「スマホで表示されるまでに時間がかかる」、「スマホでPDFが開けない」というものです。とくに最後の件は重大で、スマホのウェブブラウザで複雑なPDFを開くと、長い時間がかかったり、最悪だとブラウザが停止(ハング)するというものです。Androidの一部機種では、PDFビューアアプリを手動でインストールしないと、そもそもPDFが見られないものもあります。
ウェブ閲覧者の過半数がスマホという調査結果がいくつも出ています。この傾向は今後も変わらないでしょう。スマホユーザはITやPC慣れしていない人も多く、ウェブブラウザとPDFビューア(例えばAdobe Acrobat Reader)の役割りや使い分けを知らない人もいます。PDFへの質問や苦情が来ないようにするためにも、情報の提供側の配慮が不可欠です。
PDFの問題点② ページごとの閲覧数・アクセス数がわからない
通常のウェブページ(HTML)は、ページごとの閲覧回数をサイト側で把握することができます(PV:ページビュー)。しかしPDFだと、PDFが閲覧(ダウンロード)された回数はわかるものの、PDF内のどのページを見たかや、ページ遷移をかんたんに把握することはできません。
HTMLであれば、ページごとにPVを集計できるので、どこが読まれたか・興味を集めたかを分析できます。PDFではこれができないがために、中味(コンテンツ)の善し悪しを検討することなく、惰性で情報提供が続けられています。
解決策 HTMLに変換してサイト掲載すると、最短&お手軽
もっと公開情報を見てもらいたいという企業/役所のみなさま、公開情報を手軽に見たい・すばやく知りたいという閲覧者のためにできることがあります。それはPDFに加えて、HTMLでも公開するというものです。
PDFごとにHTMLページを手作業で作るのは、作業量が多くて非現実的でしょう。しかしいまでは、ツールを使ってPDFをHTMLページに簡単に変換できます。しかも最新の高性能なPDF→HTML変換ツールを使えば、ズレることなくPDFと同じ体裁のHTMLページを生成できます。
日本語対応のPDF→HTML変換ツールの代表ともいえるBuildVu(ビルドビュー)の場合、建築土木や電気電子分野のCAD図面・配線図、複雑なレイアウトの雑誌、縦書きでふりがな(ルビ)の入った日本語などをPDFと同じ体裁に変換できます。
操作も簡単です。PDFファイルを入力すると、BuildVuが変換してHTMLファイル群(HTML、CSS、JavaScriptなど)を出力します。それらをウェブサイトにアップロードすればHTMLでの情報の公開ができます。
ギガ節約でテンポよく閲覧できるHTML
HTMLはネットで閲覧する人向けとして最適です。見るページだけデータをやり取りするので、表示が始まるまでの時間が短くなり、テンポよく閲覧できます。見ないページ分のデータを送らないので、一部のページの閲覧なら通信量を節約できます。
PDFは、PCなどでダウンロードしての閲覧や印刷したい人向けとして残すといいでしょう。
どれぐらいデータ量を削減できるかは、こちらの記事をご覧ください
読まれるページをきちんと把握できるHTML
「PDFの閲覧数を増やしたい」、「PDFのアクセス数を稼ぎたい」という方にも、ふたつの理由でHTML化が効果的です。ひとつはHTML化すると、検索エンジンに文書内のキーワードが認識されやすくなります。多くの検索エンジンはPDF内のテキスト検索に対応していますが、HTMLほどにはしっかりとキーワードが認識されない傾向にあります。
ふたつ目は、HTML化すると1ページごとに閲覧数(PV)をカウントすることになるので、それだけで閲覧数が増えます(PDFの場合は何ページ閲覧してもPV=1ですが、BuildVuのようにページごとにHTMLを生成するなら、PV=閲覧したページ数になります)。
でもこれは、てっとり早くPV増を狙う裏ワザではありません。BuildVuはアクセス数を増やすツールでもありません。HTML化することで、PDF文書の中味のアクセス解析ができることがポイントです。しかも既存(HTML用)のアクセス解析ツールで、ページことにPVを集計できます。さらに、表紙から読み始めて目次やサムネール経由でたどり着いたページを閲覧したのか、直リンクで特定のページを閲覧したのかなどの閲覧行動も分析できるようになります。
簡単に変換できるの? できます、お試しください!!
お持ちのPDFファイルをオンラインでHTMLに変換できる評価用のウェブサービスを提供しています。メールアドレスなどを登録することなく、その場で変換結果を確認したりHTMLファイルをダウンロードできます。くわしくはこちらの記事をご覧ください。
さて、この記事を書くにあたって「情報公開」や「公開情報」などの用語を調べて気付いたことがあります。企業や役所が公表する情報によって、「情報」と「公開」のどちらが先に来るかや、使う用語が変わるのですね。せっかくなので、まとめておきたいと思います。
情報公開とは? 公開情報とは? 公開資料とは? 報道発表資料とは?
情報公開とは、国などの公的機関が、業務上の記録等を開示することです。情報公開法(正式名称:行政機関の保有する情報の公開に関する法律)の施行以降は、公開されていない情報について、一般人などが公開するよう求めて、行政機関がその情報を公開することを指すようになりました。そのため情報公開という用語は、求めがあったら公開する(求めがなければ公開しない)というニュアンスが強いです。
公開情報とは、企業や役所が自主的に公表した情報を指すことが多いです。公開資料とは、企業や役所が自主的に公表した情報を指し、報告書や調査データや統計のようなまとまった情報を指すことが多いです。公表するよう法令などで義務になっていることもあれば、公表する方が好ましいと自ら判断しての場合もあります。義務となっている場合は、情報を広く伝えたい意欲があるかもしれないし、義務だから渋々という可能性もあります。
報道発表資料とは、企業や役所などが報道機関(通信社、新聞社、テレビ局など)に報道のために提供する情報のことです。報道発表は義務ではないので、提供者の自主的な判断によります。したがって、慣例で提供している情報以外は、ニュースなどで広く報じてもらいたいという意図があります。企業や役所が報道機関に送付するのが報道発表資料なので、過去には一般の人が目にする機会はほとんどありませんでした。ウェブの普及により、企業や役所は報道発表資料を自社サイトに掲載することが増え、一般の人も容易に情報に触れられるようになりました。
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